スマホ・タブレットと目の健康

最近では一段と電子書籍が普及し、スマートフォンやタブレットで本や雑誌、漫画などがどこでも気楽が読め、非常に便利な時代になりましたね。本好きの僕もここ数年でだいぶ蔵書を処分し、それに反比例してKindleなどに格納された電子書籍の数がどんどん増えていっています。

新聞も印刷版ではなく、ニュースはもっぱらスマートフォンやタブレットを使って読んでいます。

紙に印刷された本や新聞雑誌を読んでいた時は、少なくともその時間はモバイル機器やパソコンの画面から目を外すことができました。でも今は、ますますIT機器のスクリーンを見つめる時間が増える一方。いまさらながら「目の健康は大丈夫だろうか?」と心配なったりします。

様々な症状がありえるでしょうが、まずは目の疲れですよね。目の疲れが視力の低下につながる可能性は高いですね。

「スマホ老眼」という言葉があって、若い人の間でも長時間スマートフォンなどの画面を見続けるために、近くが見えなくなり老眼のような現象を経験する人が増えているそうですね。

これはパソコンの作業でも同じで、うちの会社でも、まだ30歳前なのに、夕方になると紙の書類を読むときに、腕を伸ばし、読んでいるものからえらく距離をとって読んでいる人がいます。もともと視力は良い人なのに「夕方になってなると、近くに目の焦点が合わないんです~」って。やばい!

モバイル機器の画面で「読む」ということに関して言うと、アマゾンの「Kindle」の専用端末のようなEペーパーを使ったものもあります。Kindle 端末はe-inkという技術を使い、直接目を照らさないフロントライト方式。スマートフォンやタブレットのような強い光を発していないので、長時間の読書が可能、ということになっています。それにしてもやっぱり紙の本や新聞雑誌などと比べて、目に悪いのではないか、という不安感はありますね。

ちょうどそんなことを考えていたところ、こういう記事をみつけました。

Do E-Readers Cause Eye Strain? (New York Times)

これは、Eリーダー(スマートフォンやタブレット、Kindle端末など)は紙に印刷された書物を読むのに比べて、目が疲れるのかどうか?という研究について書かれたものです。

10年ほど前の研究でしたが、結果は「単純に紙印刷版かEリーダーのどちらが優れているかということは言えず、状況によってより適したものを選べばよい」ということでした。また意外なことに、Eリーダーの中でもどれが一番目に優しい、という風にも言えないそうです。

たとえば、Kindle端末だと、より紙の質感に近い画面になっていて、日中太陽の下でも画面が読める。この点スマートフォンやタブレットは反射が気になって不利。でも、Kindle端子は白黒であるのに対しスマートフォンやタブレットの画面はフルカラーで視野角は広く、最近はだいぶ画面品質の向上のおかげで反射がだいぶ抑えられるようになり、極度に明るいところでなければ読みやすくなってきています。

薄暗いところで読む、ということに関しては、当然画面から光を放っている電子機器画面の方が、紙に印刷されたものより読みやすいということになります。

ニューヨークタイムズの記事で、ノースキャロライナ大学で眼科学主任教授をしているトラヴィス・メレディス博士によると、「テレビやPC 画面に近づいて見ることが目に悪いということはなく、様々な他の要素が目の疲れを引き起こす。画面に体の方を合わせることが大切」という主旨のことを言っていました。

目の健康を考えたら、パソコン画面でもテレビでも、本来は20分おきぐらいに目を少しやすませることが必要だそうです。

ついつい夢中になると、目を休めることを忘れてしまいなので、お互い注意したいですね。