連日、ロシアのウクライナ軍事侵攻に関する報道をご覧になっているかと思います。
今回は、多くの外国企業がロシア事業の停止や撤退を決定する中、日本企業も苦渋の選択を迫られ、事業停止や撤退を決断するところが相次いでいる、というトピックに関してになります。
【問題】まずはこのニュースヘッドライン(見出し)を読んで、理解できるか確認してみて下さい。
Business exodus from Russia has limited impact on Japan’s economy
Japan Today の記事より
答え:ロシアからの企業流出が日本経済に与える影響は限定的
一つ一つ単語の意味が確認できるように、意味のカタマリごとに段を変えて直訳を付けてみます。
Business exodus
企業の流出は
from Russia
ロシアからの
has limited impact
限定的な影響を及ぼす
on Japan’s economy
日本経済への(影響を)
business :商売という意味ですが、ここでは「会社/企業」のことを言います。
exodus :「一度に大量の人が出てゆく/脱出する」という意味です。難しい言葉かもしれませんが、「Exodus」(大文字で始まる)(出エジプト記)は、聖書になじみのある外国の人なら皆知っているのではと思いますので、教養として知っていて損はないでしょう。
limit:カタカナ語の「リミット」としてご存じでしょう。
「動詞で限定する」という意味ですが、-ed が付いて limited は「限定される/限定的な」という形容詞になります。
よく「リミテッド・エディション」とかいう言葉を目にすることがあるかと思いますが「限定の」という意味ですね。
impact :「インパクト」という言葉自体おなじみになっていますが、野球のバットやテニスのラケットがボールをとらえる「瞬間」と言う意味で、影響とか反響という意味もあります。
have an impact で「影響/ 衝撃(インパクト)を与える/及ぼす」という意味です。
影響を与える対象には impact on のように前置詞 on を付けます。
それからこの見出しには出てきませんが企業の「撤退」は withdraw という単語を使って言うことができます。
Some Japanese companies will withdraw from Russian market.
(いくつかの日本企業はロシア市場から撤退することになります)
このニュース記事本文にも書いてありますが、日本企業の海外事業全体に占めるロシアでのビジネスの比率は非常に小さいことから、日本経済への直接の影響は少ないとみられているようです。
ただ石油や鉱石資源などの調達をロシア以外に切り替えるのに時間やコストがかかり、さらに物価高にも拍車がかかることが予想されます。
一方、対ロシア経済制裁により、ロシアの海外資産は凍結され、海外との通貨決済ができなくなりました。このままいくと、まもなくロシアの外貨建て国債はデフォルト(default 債務不履行)に陥ることになります。
引き続き、この先どうなるのかが気になります。