戦争で乱心・プーチン大統領がクレーマーに?:「claim」の真実

先週末、世界の注目はロシア大統領選に集まりました。海外のメディアは一様に、

Vladimir Putin claims landslide Russian election victory

という見出しで報じました。

この文を見て「claimって、クレームのこと?」とピンと来る人も少なくないかもしれません。その知識で上記の見出しを読むと、

「プーチン大統領が、ロシア(大統領)選挙承知にクレームをつける(苦情を言う)」

となってしまう可能性大ですね。

正しくは以下の日本語訳となります。

日本語訳)
ウラジーミル・プーチン、ロシア選挙での地滑り的勝利を主張

この見出しの中にある「claim」という単語、日本語では「クレーム」は一般に、不満や苦情を意味します。レストランでの不適切な対応や、商品に対する不満を表す際に用いられるますね。

そのため、多くの日本人にとって、「claim」を直接的にいわゆる日本語のカタカナ語「クレーム」と関連づけるのは無理もないことかもしれません。

しかし、英語の「claim」は、そのような意味ではなく、「主張する」「請求する」という意味で使われることが一般的です。

例えば、「彼は勝利を主張した(He claimed victory)」や「彼女は払い戻しを請求した(She claimed the refund.)」のように使用されます。

したがって、プーチン大統領が「landslide Russian election victory」を”claim”したという表現は、彼が圧倒的な勝利を自ら宣言したという事実を伝えるものであり、選挙の不備に対して何か言いがかりを付けたり、不満や苦情を表しているわけではありません。

ということで、「クレーム」は日本人以外との英会話では通じない可能性が高いです。
(前後の文脈で相手が想像力を働かせてくれる場合もある)

さらに言うと、発音も、日本語のカナ表記の範囲でも「クレーム」ではなく「クレイム」としたほうが、少し英語の発音に近づきます。(Lの発音は別途修得が必要ですが・・・)

claim の発音記号は[kleim]

ついでに言うと、ロシア大統領(President of Russia)の「プーチン」は、プーティンと言う方が原語に近いです。

「チ」と「ティ」の違いぐらい、普段の日本語でしっかり区別しているはずですよね。

だって、レモンティーとかアイスティーのことを「アイスチー」「レモンチー」という人いますか?

このようなカタカナ語としてよく知っている単語を理解し直すだけで、英会話で使えるボキャブラリーに加えられるものがたくさんあります。

私は「使えるカナカナ英語のリサイクルトレーニング」として過去10年以上、「カナカナ英語ブートキャンプ」というプログラム(研修)を行っています。また今後も、こう言った、一度聞いたら忘れない、カタカナ英語のリサイクルの話題も紹介してゆきたいと思います。