ウィル・スミスのコメディアン平手打ち事件@アカデミー賞を英語で

アメリカのロサンゼルスで3月27日夜に行われた第94回アカデミー賞(Academy Awards)授賞式。今年は日本映画の「ドライブ・マイ・カー」が国際長編映画賞を受賞するという嬉しい知らせがありました。

その一方、今回世界的に話題を独占しているのは前代未聞のハプニングでした。

以下の英文はUSA Todayの記事からの抜粋です。ボキャブラリーが分かりやすいように段を変えて直訳を付けます。


Will Smith slapped Chris Rock
ウィル・スミスはクリス・ロックを平手打ちしました

at the Academy Awards
アカデミー賞(授賞式)で

after the comedian made a joke
コメディアンがジョークにしたので

about a possible “G.I. Jane” sequel
「G.I.ジェーン」の続編の可能性について

directed at Jada Pinkett Smith’s bald head.
ジェイダ・ピンケット・スミスの坊主頭を指して


□ slap:(名詞)平手打ち (動詞)平手打ちする
□ award:賞 発音は《アウォード》
※《アワード》という発音は間違い
□ sequel:続編
発音は [síːkwəl] でカタカナ化するなら《スィークェル》
□ direct (at) : コメントなどを人に向けて(指して)言う
□ bald:髪の無い、はげ頭の

俳優のウィル・スミスが、コメディアンのクリス・ロック壇上で平手打ちし、その後も座席からロックをこう言って罵倒しました。

“Keep my wife’s name out of your (expletive) mouth.”

俺の妻の名前を出すな!

(expletive) というのは、四文字語の罵り言葉などの事です。どのニュース記事を見てもそう書いてありますし、テレビ放送などの録画映像ではピーという音でその言葉が消されています。アメリカのテレビ放送で禁止された言葉ということで。おそらく f-word (Fで始まる言葉)でしょう。

※上のYouTube映像ではカットされずF-wordまで全てそのまま聞けます。

この「 G.I. ジェーン」のジョークの何がウィル・スミスを暴力に訴えるほど怒らせたのでしょうか?

「G.I. ジェーン(1997年)」という映画は、ある目的のためにアメリカ海軍情報局に所属する女性大尉が海軍特殊部隊の訓練プログラムに送り込まれる、というストーリーで、女性大尉役を主演のデミ・ムーア(Demi Moore・本当の英語の発音はモア)が坊主頭で演じました。コメディアンのクリス・ロックは、スミスの妻のジェイダ・ピンケットの坊主頭をG.I. ジェーンに結び付けて笑いを取りました。

しかしここが問題で、実はジェイダ・ピンケットの坊主頭はファッションではなく、彼女がこの5年ほど患い悩んでいる alopecia(脱毛症 [æ̀ləpíʃə])のためなのです。それを笑いのネタにされ侮辱されたと感じたウィルは、夫として妻を守るために立ち上がったというわけです。

しかしこの授賞式は全米テレビ生中継されています。アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーも翌日の28日にこのウィル・スミスの行動を以下のような言葉で非難しています。

The Academy does not condone violence of any form.

アカデミーは、いかなる形の暴力も容認しません

condone :(動詞)許す、大目に見る

ウィル・スミス本人はそのあと謝罪しています。

この後の受賞式の発表で、スミスは「King Richard」(邦題「ドリームプラン」)の演技で主演男優賞を獲得しましたが、賞を返上させるべきだ、という声も上がっています。

この「平手打ち事件」に対し、「やはり言葉に対して暴力はいけない」という意見が大勢をしめているようですが、中には妻のために行動したスミスを賞賛する声もあります。

みなさんはどう考えますか?

英語でのディスカッションが苦手な人がよく「普段から自分の意見を言うことが無い」というのを耳にすることがあります。何かの問題に対して意見を求められたとき、自分ならどう発言するか、という思考をすることも、言語能力を高めるために重要なことだと思います。