評判も英語も怪しい「Go to トラベル」キャンペーン

新型コロナウイルスの被害を受けた旅行産業救済として、国内旅行の宿泊費や交通費の一部を支援する、いわゆる「Go To トラベル」が波紋を呼んでいます。

僕も「Go To」の名称を見て、「またか、変な英語」と思ったのですが、ここではそのキャンペーンのネーミングについて、「英語としてどうなの?」といった点に触れたいと思います。

英語学専門の先生の意見を紹介したいと思います。

まず関西学院大学の神崎高明名誉教授によれば「英文法的に完全に誤りとは言えないが、使われる頻度は極めて低く、英語話者には違和感がある」「『to 不定詞』の形としては一応成り立つものの、travel 自体に『行く』という要素が含まれているため、意味が重なるgo と一緒に使われることはありません。使ったとしても、『旅行に行くために行く』のような不自然な意味になってしまします」とのこと。

*Yahoo! News 元記事「朝日新聞」(GoToトラベルは文法ミス? 政府も「英文としては…」)

「旅行に出かける」の自然な言い方だと go on a trip ですが、それもキャンペーン名称としてそのまま使うのは、ひねりが無さすぎか・・・ 。

もうお一人、翻訳家の鴻巣友季子さんが、ラサール石井さんとの対談の中で、こんな風に言っていました。

(以下『“Go To Travel” 文法合ってる? “Black Lives Matter” 日本語に訳すと? ラサール石井&翻訳家・鴻巣友季子の英語談義』より引用

私、これは多分日本語の影響で引きずられているのかな、と思ったんですけど、日本語も「旅行する」というのと別に、「旅行に行く」って言うじゃないですか。旅行に行くって私は昔からちょっと“ダブってる感”がある言葉だなと思っていて。「旅行」という単語で、すでに“行く”って言っているんだから、そんな2回も言わなくていいんじゃないかなって思っていたんだけど、Go To Travelってそれとまったく同じじゃないですか。

専門家お二人もと同じようなことをおっしゃっていますね。

海外の英字新聞を読むとこのキャンペーンの名称に触れる時は  “Go To Travel” campaign  のように ”  ”  に入れて表記していることが多いようです。” ” ということは「現地ではそう呼んでいるんだけど」という意味合いでしょう。

日本の政府は英語教育に力をいれるとか言いながら、一方では「マイナンバー」はじめ、近年も変なカタカナ英語をどんどん世の中に送り込んできています。外国人居住者や訪問者が増えているのに。(コロナ以降の最近は別)

ちまたでは、

”Go To Travel” じゃなくて、“Go To Trouble” じゃないか?

”Go To Spread”(感染を)広げる」 に名称を変更したら?

などという皮肉の声もちらほら・・・

名称はともあれ、旅行費用支援のキャンペーンですが、東京が除外されたり、最近のコロナウイルス感染者数の急増で、全国的に心配が広がるなど、なかなか前途多難です。

せっかくの経済支援策なので、なんとか蜜を避け、上手に活用して、みんなで少しでも旅行業界をサポートできたらいいですね。