「テニス王者ジョコビッチ強制送還」の英語

ジョコビッチ、オーストラリアから強制送還へ

規則は規則(Rules are rules)

男子テニスの世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic)がオーストラリア入国ビザを取り消されて国外退去となり、オーストラリアオープンに参加できなかった、というのが大きなニュースになりました。

Daily Mail の記事のFacebook投稿にこんなコメントが載っていたので、共有したいと思います。(Daily MailのFacebook投稿より)

Djokovic wanted to play in Australia but he did not want to play by Australia’s rules.

ジョコビッチはオーストラリアでプレーすることを望んだが、オーストラリアのルールに従って行動することは望まなかった。

ジョコビッチ選手のビザが取り消し(revoked)になったのは、彼が入国時条件である新型コロナウイルスのワクチン接種しておらず、ワクチン接種免除に関する書類に不備があったこと、それからビザの申請書類に虚偽報告があったことがまず一つ。それからオーストラリア入国の際、「渡航前の14日間に旅行をした事実は無い」と申告していましたが、昨年末にジョコビッチ選手が出身国のセルビアやスペインにいる様子が写っている写真がメディアの報道でバレました。(本人は入国手続きを代行したオーストラリアテニス協会が間違えたと釈明していますが・・・)

ジョコビッチ選手は昨年12月に受けた新型コロナ検査で陽性判定が出ましたが、その翌日に子供が参加するイベントにマスク無しで出席していたことが発覚。これを読んで下さっている人の中にも、テレビニュースなどでその写真をご覧になった人もいるのではと思います。

オーストラリアのスコット・モリソン(Scott Morrison)首相も述べているように、最後は「Rules are rules. (規則は規則) という結末となりました。

 

アンタイ・ヴァクサーとは?

基本的にはジョコビッチ選手は Anti-Vaxxer と言われています。
※発音は、アンタイ(又はアンティ)ヴァクサー

anti- は「~に反対する〇〇」という意味で「Anti-Vaxxer」で「ワクチン反対派の人」という意味です。

世界で最も厳しい新型コロナ対策を取り、最近までロックダウンを行ってきたオーストラリアで、彼だけ特別扱いすることに対して豪州国民の多くが納得いかないだろう、という判断も、今年総選挙を控えたオーストラリア政府にあったのも確かです。

日本語に訳すとおもしろくなくなる例

さて、前置きが長くなりましたが、冒頭のDaily Mail 文について説明します。

Djokovic wanted to play in Australia but he did not want to play by Australia’s rules.

これをそのまま日本語に訳してしまうと、あまり面白味が伝わりませんね。最初のplay は、もちろん「テニスをプレイする」という意味ですが、2番目のplay は、play by someone’s rules (~のルールに従って行動する)という言い回しを知っていれば「なるほど、うまいこと言うなあ」となるわけです。

「強制送還」は英語で何て言う?

結局、ジョコビッチ選手は身柄を拘束され、国外退去処分となってしまいました。

He was deported / from Australia / ahead of the Australian Open.
彼は強制送還されました /オーストラリアから / 全豪オープンを前に

deport = 国外退去させる・強制送還する

 

ジョコビッチ選手はテニスの4大大会の一つである全豪オープン(Australian Open)の2021年優勝者に不参加となったですが、このままだと、まだこの先にも困難は待ち受けているかもしれません。今年5月には全仏オープン(French Open)がありますが、フランスも入国に際しワクチン接種を義務図ける新法を適応することになるからです。

急速に感染拡大している新型コロナの変異集オミクロンへの対策と、ワクチン接種を打つ、打たないの選択の自由、受け入れ国の人々の感情と政治的な思惑、それからスポーツのスーパースター選手など特別な地位を持つ人の扱いなど、いろいろ物議をかもした話題でした。

英語のディスカッションのトピックとしても面白いと思いますので、1月22日(土)の英語ディスカッションのトピックの一つに加えたいと考えています。