「もしも~だったら」で覚える英文法
ロシアのウクライナ侵攻始まる
2月24日にウクライナに対するロシア軍の侵攻が始まり、各地の軍事施設や首都キエフへの攻撃も開始されました。
英語で一言でいうと、Russia’s invasion of Ukraine(ロシアのウクライナ侵攻)
ウクライナの人々は、地下に逃げ込んだり、国境を越えて隣国に亡命を求めたり、また武器を取ってロシア軍に立ち向かったりと、混迷が続いています。
プーチン大統領には世界中から避難の声が高まり、ウクライナの人達には同情や支援の声が集まっています。
経済的な制裁が次々に打ち出され、ロシア国内でも戦争反対のデモが起こるなど、プーチン大統領も苦境に立っているはずですが、まだ停戦の合意には時間がかかりそうです。
世論:トランプ大統領だったら防げた戦争?
そんな中、ハーバード大学アメリカ政治学研究センターが行った調査で、こんな結果が出ているようです。
Mail Onlineの記事の見出しを紹介します。
62% of Americans think Putin WOULDN’T have invaded Ukraine if Trump were president, poll claims – and 59% say Biden’s weakness made Russia decide to declare war
トランプが大統領だったらプーチンはウクライナに侵攻しなかったと62%のアメリカ人が考えていると世論調査が発表
– バイデンの弱腰がロシアに宣戦布告を決意させたと59%が答えている。
文の構造とボキャブラリー
ボキャブラリーまでわかりやすいようにこの文を直読直解式に直してみます。
62% of Americans think
62%のアメリカ人が考えています
Putin WOULDN’T have invaded Ukraine
プーチンはウクライナを侵略しなかったろうと
if Trump were president,
もしトランプが大統領だったら
poll claims
~と、世論調査が発表
– and 59% say
そして58%の人が言っています
Biden’s weakness
バイデンの弱さが
made Russia decide to declare war
ロシアに宣戦を決意させた、と
(~と言っています)
今回はこの例文を使って英語の仮定法過去をマスターしてみましょう。
英文法は苦手、と言う人にも、少しでもこの文法事項を身近に感じてもらえればと思います。
仮定法過去とは?
仮定法過去とは 現在の事実に反することを仮定・想像し、日本語でいうと「もし~なら」という意味を表すものです。
if を使ったセンテンスだと通常このような構成になります。
If + 主語 + 動詞の過去形~, 主語 + 助動詞の過去形 + 動詞の原形
もし~なら、○○だろうに。
今回の見出し文は if が後に来ていますが、基本的に同じ意味を表します。
if Trump were president
トランプは昨年の選挙で破れ、現在はアメリカ合衆国大統領ではないので、were を使うことで「現在の事実と反する」仮定の形を作り出します。
そして、Putin wouldn’t have invaded で wouldn’t have とすることで (事実と反する事ではあるが、もしそうだったらこうなるだろうに)という意味合いを出します。
何度も声に出して定着するまで音読すると良いのですが、ちょっとこの例文は長すぎる、と感じる方は、最初の「62% of American think」を抜いて if ~ Trump were president までを練習すると良いでしょう。
使役動詞 made の使い方も
ついでに Biden’s weakness made ・・・・の文の使役動詞 make (過去形made)の使い方も一緒に確認して、覚えていなかった人は覚えて下さい。
主語 + make + A + 動詞の原形
Aに~させる
この場合は、A(ロシア)に「強制的にさせた」という使役ではなく「ロシアの思うままにさせた」という意味合いになります。
さて、この調査に納得いかない人もいると思いますが、記事を詳しく読むと、トランプ氏の共和党員の85%、バイデン大統領の所属する民主党員ですら38%の人が「トランプ氏が大統領ならプーチンを止められたはずだ」と答えているので、バイデン大統領への不信が見て取れる調査結果だと思います。
(同記事冒頭のまとめ部分より)
A total of 38 percent of Democrats agreed that Trump would have held Putin back, with a whopping 85 percent of GOP voters agreeing
ちなみに、「プーチン」というのは日本語式読み方で、英語を話す時は<プーティン>にしたほうが良いでしょう。
ロシアとウクライナの停戦協議も始まったようですが、早く戦争は終わるといいですね。そのあとどうなっていくのかも気になりますが・・・・。