マクドナルド「特別じゃない、しあわせな時間」が炎上
日本のマクドナルドの公式アカウントが先月下旬にX(旧Twitter)に投稿した短編アニメビデオビデオが、海外で大炎上中だそうです。
「特別じゃない、しあわせな時間」とキャプションが付いたこのビデオ、国内では投稿してから1週間のうちに63万件の「いいね」が寄せられるほど好評だったようです。
このビデオ、まずはご覧下さい。
特別じゃない、しあわせな時間。 pic.twitter.com/P7Og6hbMsx
— マクドナルド (@McDonaldsJapan) September 20, 2023
海外の反響を英語で(1)
海外での炎上の様子は、Sora News 24の英文を引用して紹介します。
McDonald’s ad in Japan causes controversy overseas
(マクドナルドの日本での広告が海外で論争を巻き起こす)
広告は英語で advertisement ですが、頻繁に縮めて「ad」と言われたり書かれたりします。
controversy というのは「議論・論争」という意味で、ソーシャルメディア等で「炎上」というのも、controversy と言ってよいでしょう。
一見難しい英単語だと思うかもしれませんが、意外と重要な単語です。
An anime clip viewed as harmless in Japan is interpreted differently by foreign viewers.
日本では無害とされるアニメの映像も、海外の視聴者にとっては異なる解釈となる
anime は日本語の「アニメ」の英語表記。 clip は書類ばさみのクリップのことではなく、テレビ番組などの 一場面のことで video clip のことです。
害は harm で、無害はそれに -less を付けて harmless。
Interpret は通訳するという意味もありますが、ここでは「解釈する」という意味です。
海外の反響を英語で(2)
Yahoo!ニュースなど日本のメディアやブログなどでも、このビデオが「海外で炎上」などと報道する記事をみかけました。
今回はこちらのサイトを引用します。
「欧米人が受けた衝撃とは……」と称し、
https://forzastyle.com/articles/-/69094
家族=幸せという勝手な価値観を押し付けるな!
黒人が出て来ないのはナゼ?
男女カップル? LGBTに対する配慮はないの!?
などという意見が出ている、と言っています。
Sara News 24 で紹介されていたネガティブなコメントを英文を解説付きで紹介します。
“Looks like Japan isn’t in favour of commercials with interracial, childless or lgtbq [sic] couples. Who would’ve thought.” 日本は異人種、子供のいないカップル、LGBTQカップルのCMを好まないようだ。誰もまさか、そんな想像をしなかったろう。
<ボキャブラリー説明>
Looks like:「どうやら~のようだ」という意味で、観察や判断を元にした主観的な意見を表す際に使われる表現です。
isn’t in favour of:「~を好ましく思っていない」という意味。”in favour of”は「~を支持する」という意味ですが、否定形「isn’t」が前に来ることで、好意的でないという意味になります。
interracial「異人種間」
childless 子供がいない
※ lgtbq は、おそらく投稿者による LGBTQの打ち間違いか
Who would’ve thought:「誰がそんなことを思っただろうか」という意味。過去の事柄に対して予想や期待とは異なる結果に驚きや意外性を込めて言っています。
“would’ve”=”would have”の短縮形
“It’s creepy how the mom has the exact same proportions as the child. Like literally down to the hands.”
母親が子供とまったく同じプロポーションなのが不気味だ。文字通り、手まで同じだ。
“Theory: McDonald’s is now trying to appeal to pedophiles?”
憶測:マクドナルドは今、小児性愛者にアピールしようとしている?
さて、僕自身、実際にソーシャルメディアに寄せられたコメントをじっくりを読んでみました。
すると「これをみて、そんな風に考えるのがどうかしている」と大多数の人は上記のような否定的な見方はしていないようでした。
マクドナルドジャパンも特に公式にコメントを出すこともなく、ビデオはそのまま投稿された状態のままです。
いずれにせよ、発信した情報が、あっという間に世界中へ広がってしまうんだなあ、ということを感じる出来事でした。