まさか!おなじみの冬スポーツ競技名が違っていたなんて
今朝もジムのランニングマシンの前に設置されたテレビをつけたら、どのチャンネルも北京冬季オリンピックの話題ばかり。(2022年2月8日の朝)
既に日本代表にメダルを獲得した選手も現れ、さらに期待も高まります。
さて今回は、超基本的、とおもわれがちなスポーツ名の英語を扱います。
間髪入れず、まずはこちらから・・・
スキー(ski)は競技名ではなかった!
まずスキー(ski) ですが、実は英語では、これはいわゆる「スキーの板」を差すか、もしくは動詞で「スキーをする/滑る」という意味となります。
「水泳」が swim ではなく swimming であるのと同じように、ski も、末尾に ~ing を付けて skiing にしないとスポーツ名としてはおかしいわけです。
× I like ski.
[訳] 私はスキー板が好き(?)
ちなみにスキーの板は通常複数形で skis です。ski だと片方だけ?
「(スポーツの)スキーが好きです」なら正しくは次のようになります。
○ I like skiing.
アルペンスキーという競技がありますが、これも alpine skiing が正しい英語です。
発音に関しても、 alpine は<アルペン>ではなく、<アルパイン>です。『アルペン」というスポーツ用品店名もありますが、あれは英語ではないということですね。それに対しカーオーディオメーカーに ALPINE(アルパイン)というのがありますが、英語としてはそちらが正解です。
「スキージャンプ」というジャンプする競技については、スキー板を履いてジャンプするということなのでジャンプ(jump)のほうに ~ing をつけます。
ski jumping
スノーボードやスケートは英語だと?
スノーボードもスキーと同様、snowboard は文字通り「雪上を滑るための板」を差します。
スポーツとしての「スノーボード」は snowboarding
英語の発音とアクセントの位置に注意しましょう。
さて、ここまで言えばおわかりかと思いますが、スケートも、英語のskateの意味 は「スケートする」という動詞と、「スケート靴」という名詞のどちらかです。競技名としてはこれも~ingをつけます。
スピードスケート
speed skating
フィギュアスケート
figure skating
ちなみに発音は「スケート」ではなく「スケイト」というつもりで発音しましょう。
ice skate は氷の上を滑るためのブレードの付いた「スケート靴」を指します。両足分を言うときは a pair of ice skates となります。
「ノルディック複合」で発音を覚える
ノルディック複合というクロスカントリースキーとスキージャンプという2つのノルディックスキー競技を組み合わせて競う競技があります。この競技が最初に行われたのはノルウェーです。
オリンピックでのノルディック複合の歴史をみると、これまでノルウェーが13個の金メダルを取っていて圧倒的な強さを誇ってるようです。(2位ドイツは五個)
この競技の英語名は Nordic Combined
Nordic というのは「スカンジナビアの/北欧(人)の」という意味の言葉です。
日本語でもそのままカタカナ表記されるのでおなじみの言葉とは思いますが、英語で話す時には<ノルディック>ではなく<ノーディック>と発音するように気をつけましょう。
combined という言葉はもちろん「複合の」という意味ですが、-ed を取り去って
combine という動詞になり「~を組み合わせる/混合する」という意味で使われます。
農作業で使う稲刈りと脱穀を行う機械も「コンバイン」と呼ばれますが、これは二つの機能を一つの機械に組み合わせ合体させたものだからでしょうね。
おなじみの「コンビネーション」という言葉も、この combine の派生語の名詞形です。意味は「組み合わせ、連携」ですね。
ついでに今出てきた国名・ノルウェーですが、英語だと<ノーウェイ>になりますので、ご注意を。
「カーリング」は日本人が発音できない?
カーリングというちょっと変わった競技があります。4人1組の2チームがハウスと呼ばれる円の中心に向かってストーンを投げて得点を競うというスポーツだそうですが、スコットランドが発祥地で、投げたストーンが回転しながら、髪の毛を「カール」するようにゆっくりと曲がるところから「カーリング」という名になったそうで、カーリングは英語で curling と綴ります。
以外と難しいのが、その「カール」の発音。要注意です。
curl の発音記号は [kə́ːrl] (米国発音)または [kə́ːl] (英国発音)で、əː は、あまり口を開かず力を抜いて ア~ と発音します。といってもちょっと練習しないとなかなか出来ないかもしれません。
普通に日本語風にカーリングというとカーを口を大きめに開けてしますし、Lの発音を日本語の「ラ行」の音で置き換えてしますと car ring に聞こえてしまうかもしれません。
英語を話す時、出来る範囲で発音すればいい、と思っていると、こういう単語が結局発音できないことになるので、本当はしっかり発音も勉強したほうがいいですね。
同時通訳者で『パワー音読』などの著書で有名な横山カズ氏も、最近の出た『キレイゴト抜きのQ&A 英語独学プラクティス』(DHC)という本の中で、「発音なんて気にせず、積極性が大切なのでは?」という英語学習者の質問シミュレーションに対し「話し相手に迷惑がかかるので、オススメしません」「完璧を目指す必要はないかもしれませんが、相手に通じる発音を目指すことは賢明な選択」と答えています。