「サステナビリティ」って聞いたことある?
先日、アパレル関係の仕事で海外と英語で会議をする日本人の女性の方のお手伝いする機会がありました。その取り引き相手はインドの会社です。
事前に送られてきた資料の中で、他社との差別化として「環境に配慮した天然の素材・材料を使用」「廃棄物を出さない」「従業員は全員女性で、適正な賃金と安全で快適な労働環境」などのブランドのコンセプトに関連し「sustainability」という言葉が出てきました。
近年、新聞・雑誌、テレビなどでも取り上げられることの多くなっている言葉ですが、みなさんご存じでしょうか?
その日本人の女性に「日本語では「サステナビリティ」というカナカナ語になってるけどご存じか尋ねると、「耳にしたことはあるけど、何のことを言っているのかいま一つ分からない…」とのことでした。
Googleで検索するとWeblioの「人事労務用語辞典」のページに意味と解説が載っていました。
「サステナビリティ」(sustainability)とは、「持続可能性」または「持続することができる」という意味。 サステナビリティへの取り組みというとき、何を“持続する”のかというと、その対象は広く社会と地球環境全般を指します。
(Weblio 「サステナビリティの意味・解説」(リンク)より引用)
おそらく今後、企業活動はじめ様々なビジネスシーンで、ますます使われ、私たちが目にする機会も増えるでしょう。
何で「サステナビリティ」になるかな・・・
さて、英会話の視点からこの言葉を見ていきましょう。
英語のsustainability の発音は、[səsteinəbíləti]なので、普通に素直にカタカナ化したら<サステイナビリティ>となるはずです。(太字にアクセントが来ます)
これは名詞形で形容詞形は sustainable です。これも発音は[səstéinəbl]で、あえてカタカナ化すると<サステイナブル>。
意味は「持続できる、持ちこたえられる」という意味です。
この単語の末尾をもう少し短くすると、動詞の sustain になります。カタカナ化するなら<サステイン>。
意味は「~を持続させる・維持する」という意味です。
ここまで見ておわかりかと思いますが、元になるのは動詞の sustain で、あとは 「~できる」という意味の接尾辞(単語の末尾)+ ability をつけて「持続できる」。そして名詞形にするために末尾を ble から + bilityに変えると「持続可能性」になります。こういうのを派生語と呼びますが、一つ単語を覚えたらセットにしてマスターするときちんとした英語として使いこなせるようになります。
動詞 sustain を知っていればこんな文をつくることができます。
How can we sustain economic growth?
私たちはどうやって経済成長を持続できるでしょうか?
「持続可能な経済成長」なら、sustainable economic growth
We need to pursue sustainable economic growth without harming our societies and the environment.
私達は持続可能な経済成長を追求する必要があります / 私たちの社会や環境を害さずに
ところが、この単語の名詞形を「サステナビリティ」で覚えてしまうと、動詞や形容詞が出てこない。sustain を<サステイン>じゃなくて<サステン>では、おそらく何言っているか英語として通じないでしょう。
sustainability を<サステイナビリティ>と覚えることで、sustain という動詞が覚えられます。
逆に言うと、<サステナビリティ>なんて発音してたら、今後の日本人の英語力も社会と地球環境も持続可能にならないと思えてきます。
L(エル)の発音が難しいということはありますが、少しでも元の英語の音に近い形でカタカナ化することで、あなたの英語力が強化されます。